院長よりご挨拶
令和元年8月1日父、寺田忠之より院長を引き継ぎました寺田邦彦と申します。
当院は、先代が100年以上継承した寺田医院(相生市若狭野町)を昭和55年現在の地に移転、呼吸器クリニックとして再スタートし、以降姫路の地で呼吸器領域をはじめとした地域医療において長きにわたり地元の皆さんにご愛顧いただいております。
当時喘息に対する吸入ステロイド療法、びまん性汎細気管支炎への少量マクロライド療法などもなく、難治性の気道疾患により働き盛りの世代の方でもしばしば重症化したり命を落とされる時代でした。当時子供の頃目の当たりにした夜間緊急受診される喘息発作の患者さんの苦しそうな姿は今でも忘れられません。
医学は数十年で大きく進歩し、喘息やDPBなど気道疾患の生命予後は劇的に改善、治らないといわれていたCOPD(肺気腫)患者さんの息切れも大幅に軽減させられるようになりました。さらに、数年以内の予後であった進行肺癌においても新規抗癌剤開発により改善が期待できる時代を迎えました。
一方で超高齢社会の到来・高額な新規医薬品の登場などが相まって国民医療費が高騰し、我が国の財政を圧迫しております。誤嚥性肺炎予防のためのアドバイス、一日でも長く健康寿命を延ばせるように禁煙をはじめとした望ましくない生活習慣を改善するなど、お金をかけずにできることがたくさんあります。これからも永く皆保険制度のもと平等で質の高い医療を行うことができるよう、ひとりひとりが健康意識を高め費用対効果を意識した医療を心がける必要があると思います。
呼吸器領域を中心に内科領域で地域の皆さんのお力になれるよう、個々の患者さん・ご家族が求めておられるものはなにか?、病状の把握、診断・治療内容は適切か?を常に考えながら日々研鑽を重ね診療させていただきます。患者・ご家族さんとご相談しながら、お一人お一人にあったよりよい医療を目指して参りましょう!